研究課題/領域番号 |
25287051
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 武蔵野美術大学 |
研究代表者 |
宮原 ひろ子 武蔵野美術大学, 造形学部, 講師 (00532681)
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研究分担者 |
堀内 一穂 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (00344614)
櫻井 敬久 山形大学, 学内共同利用施設等, 教授 (60150265)
草野 完也 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (70183796)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 宇宙線 / 太陽活動 / 太陽圏 / 気候変動 / 宇宙気候学 |
研究概要 |
本研究では、銀河宇宙線が地球の気候変動に与える影響を明らかにし、また気候システムが宇宙線変動に応答する詳細なプロセスを明らかにすることを目的としている。そのため、樹木年輪中の宇宙線生成核種・炭素14および氷床コア中の宇宙線生成核種・ベリリウム10の分析による過去の宇宙線量変動の復元、樹木年輪中の安定同位体比の分析による古気候復元データの取得、気象データ解析による宇宙線影響の素過程の研究、気候モデル実験による宇宙線影響の伝搬プロセスの吟味を行い、多角的に研究を進めている。 平成25年度は、4万年前および2万年前の宇宙線量の11年/22年周期変動の復元に向けて、分析のための樹木年輪試料のブロック出し、単年分解能での削り出しを進めた。また、加速器質量分析計の一部設備更新にともない、予備実験として基礎データの取得を行った。その他、炭素14濃度の初期分析を行った。また、実験設備の拡張を行った。 併せて、台湾および国内3箇所から採取された樹木について単年ごとにセルロースを抽出して酸素同位体比の分析を行い、主に小氷期における気候変動を復元した。それを既に取得済みの炭素14データと比較し、22年周期変動の強度や位相について解析を行った。 また、宇宙線にたいする気候システム応答をトレースするため、宇宙線の27日変動に着目し、人工衛星による大気成分の観測データの解析を行った。併せて、予備実験として2次元での気候モデル実験のデータの解析を行い、27日変動シグナルの解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
加速器質量分析計および安定同位体比質量分析計も順調に動いており、また試料調整装置の拡張により分析の効率化も順調に進んでいる。また、気象データおよび気候モデル実験についても、順調に初期解析および準備が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度以降も引き続き、炭素14データの取得を進めるほか、国立極地研究所が所有する氷床コアの試料についてベリリウム10濃度の分析を進めるため準備を進める。また、樹木年輪中の安定同位体の分析も引き続き進める。気候モデル実験については2次元実験の結果を踏まえ、今後は3次元の実験を進め、気象データ解析の結果との比較から、宇宙線変動に対する気候応答について、詳細なプロセスを明らかにする。
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次年度の研究費の使用計画 |
炭素14の分析試料数に変更が生じたため。 炭素14分析のための加速器質量分析計使用料として用いる。
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