研究課題
本研究では、銀河宇宙線が地球の気候変動に与える影響を明らかにし、また気候システムが宇宙線変動に応答する詳細なプロセスを明らかにすることを目的としている。そのため、樹木年輪中の宇宙線生成核種・炭素14および氷床コア/堆積物中の宇宙線生成核種・ベリリウム10の分析による過去の宇宙線量変動の復元、樹木年輪中の安定同位体比の分析による古気候復元データの取得、気象データ解析による宇宙線影響の素過程の研究、気候モデル実験による宇宙線影響の伝搬プロセスの吟味を行い、多角的に研究を進めている。平成28年度は、昨年度に引き続き、4万年前の樹木年輪と17世紀のマウンダー極小期について重点的に炭素14濃度の測定を進めたほか、14世紀、15世紀の樹木年輪についても試料調製を進めた。加速器質量分析計による炭素14濃度分析の高精度・高確度化に向けた基礎実験も、昨年に引き続き行った。また、宇宙線変動に対する気候応答を吟味するため、屋久杉、伊勢杉、秋田杉について安定同位体の分析を進めた。加えて、太陽活動の気候/気象への影響の伝搬過程について検証するため、気象データに見られる太陽自転周期の解析を行った。
2: おおむね順調に進展している
分析およびデータ解析は順調に進んでいる。
H29年度は、取得済みのデータおよび解析結果について、論文執筆を進める。
論文の執筆をH29年度に行うため、残金が生じた。
論文投稿料として使用する。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 7件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (16件) (うち国際学会 6件、 招待講演 9件) 図書 (1件)
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