研究成果の概要 |
液体キセノンシンチレータについて,真空紫外領域に加え波長が1,700 nm以下の近赤外領域でも発光スペクトルを測定した。液体キセノンは放射線源からのガンマ線で励起し,真空紫外領域の発光と同期する近赤外領域の光子を光電子増倍管と分光器を用いて測定した。結果として,波長が1,300 nm付近で従来に報告されていた発光は認められなかったが,700-1,100 nmの波長領域で未報告の有意な発光を新たに確認した。その近赤外領域の総光子数は真空紫外領域の光子数の17±5 %だった。この近赤外発光は,キセノン原子の励起準位間の遷移によるものと考えて辻褄が合う。
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