宇宙磁場の起源と構造形成に及ぼす影響を調べた。具体的な成果としては、(1)磁場を生み出すベクトル成分が生じる可能性として、Einstein-aether重力理論を考えた場合、位相欠陥であるグローバル・テクスチャーや宇宙紐の場合について各々、生成される磁場を予測し、観測からモデルパラメターに対して得られる制限を明らかにした。(2)密度揺らぎの2次摂動が磁場を生み出すことから、その膨張宇宙での時間発展をすべての項を取り入れて計算することに初めて成功し、宇宙磁場の種となり得ることを明らかにした。(3)活動銀河核からの放射によって磁場が作られる可能性に着目し、生成される磁場の現実的な見積もりを与えた。
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