研究課題
本研究では、不安定原子核のベータ崩壊における、時間反転対称性の破れの探索実験を、カナダのTRIUMF研究所において推進した。TRIUMF研究所にて供給される、偏極リチウム8のビームを停止させ、ベータ崩壊によって放出される電子の金属薄膜からのMott散乱の左右非対称性の有無を検証する実験である。本研究では、円筒型ドリフトチェンバーを用いたMott散乱の分析システムを完成させ、試験を進めた。偏極リチウムビームのベータ崩壊に伴い、ベータ線の放出角度異方性が生じるが、その異方性に起因する系統効果の検証を進め、大きく分けて二つの効果が生じる事が明らかとなった。また、並行してデータ収集システムの構築も行い、こちらは世界最高精度の時間反転対称性の破れを探索するにあたって、十分な高速性能を発揮する事を確認する事が出来た。系統効果は系統誤差を生み、最終的な測定精度を決定する。その為、偏極ビームのみならず、放射線源を用いた数多くの試験を重ね、その性質を理解する事が出来た。それに基づき、有効な抑制方法と解析方法を考案する事が出来、今後の将来的な研究へ発展させる礎を築くことが出来た。これらの成果は国際会議等で発表した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)