研究課題/領域番号 |
25287062
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
井上 開輝 近畿大学, 理工学部, 准教授 (70388495)
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研究分担者 |
千葉 柾司 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (50217246)
峰崎 岳夫 東京大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (60292835)
高橋 龍一 弘前大学, 理工学研究科, 助教 (60413960)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 重力レンズ / ダークマター / クエーサー / ミニハロー / フラックス比異常 / ダストトーラス |
研究概要 |
(1) N体シミュレーションを用いたミニハローの理論計算(井上、高橋) ・1024の3乗個の粒子を用いて得られたN体シミュレーションのデータを用いて、一辺10Mpc/hのボックスに対しレイトレーシングシミュレーションを実行した。そして、点光源をもつ中間赤外クエーサー-銀河四重像レンズに対し、視線方向に存在するミニハローやミニボイドによる弱い重力レンズ効果を調べた。その結果、これまでに得られたパワースペクトルのみを用いる計算と同様、フラックス比異常の原因は視線方向に存在するミニハローやミニボイドによって充分説明可能であることが判明した(Takahashi R. and Inoue K.T. MNRAS 2014)。 (2)中間赤外光源であるクエーサーの内部構造の理解(峰崎) ・重力レンズクエーサーの観測から摂動体の質量に制限を与えるためには、光源であるクエーサーの内部構造の理解、とくに各波長に対応する放射領域の幾何学的な大きさが重要である。変光スペクトルの研究から標準降着円盤モデルに多少の変更あるいは他の放射源を加える必要があることが判明した(Kokubo et al. 2014)。またダストトーラス内縁については、その放射機構に妥当なモデルを採用することで可視赤外線変光遅延データから標準的なハッブル定数の値を導くことができた。これはダストトーラス内縁についてこれまでの理解が妥当であることを示している(Yoshii et al. 2014)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定では2048の3乗個の粒子のシミュレーションを行う予定であったが、計算時間の関係で1028の3乗個になってしまったため。ALMAやSMAによるサブミリ波観測プロポーザルは提出済みである。
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今後の研究の推進方策 |
N体シミュレーションの粒子数を増やし、これまでの数値計算との整合性を評価する。
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次年度の研究費の使用計画 |
数値計算機などの物品費が想定より安くなったため。 剰余分は次年度ワークステーションの購入などに充当する。
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