研究成果の概要 |
高速の渦糸格子フローを従来より3桁以上低パワーで検出できるパルス・モードロック共鳴測定系を構築し, 0.05 Kの極低温下で適用することにより, ピン止めゼロの極限における渦糸格子の動的量子融解転移の観測に成功した。これにより絶対零度における磁場に対する静的渦糸相図, すなわち磁場誘起量子相転移の相図を, ピン止めがない理想的な場合とある場合について初めて同時に決定した。一方, 動的融解とは独立な動的相転移である可逆-不可逆転移の研究も進め, 転移点前後での渦糸配置に関する情報を得ると共に, 微視的な交流せん断力のみが存在する並進系で初めて相転移の臨界現象を観測するなど, 新たな知見を得た。
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