研究課題
カイラル対称性(左右対称性)が破れた結晶構造を持つ磁性体では、電子スピンがスピン軌道相互作用を通して結晶場の非対称分布を見る。その結果現れるのがカイラルらせん磁気秩序である。この秩序構造に磁場を印加すると、磁場によってらせんの捻じれが周期的にほどけたカイラルソリトン格子(CSL)と呼ばれる構造が安定化する。これはスピン配向(位相角)の空間分布が結晶構造に保護される形で凍結した位相の空間秩序パターンであり、欠陥に対して極めて安定である上に弱磁場によって周期をナノからバルクスケールまで連続制御できる。さらにCSL特有の非線形・非対称構造に由来する特異なダイナミクスは、伝導電子との結合を通して多値的磁気抵抗効果、磁気情報転送、巨大スピン起電力など際立った物性機能をもたらす。本研究では、理論研究と実験研究が直接連携することでこれまでの研究成果を統合発展させ、カイラル磁性結晶に宿る物性機能の全貌解明に向けての基盤学理を確立した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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