| 研究課題/領域番号 |
25287088
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| 研究機関 | 青山学院大学 |
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研究代表者 |
古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 教授 (00238669)
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| 研究分担者 |
望月 維人 青山学院大学, 理工学部, 准教授 (80450419)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | 動的電気磁気効果 / 円偏光レーザ / マイクロ波素子 / スキルミオン / スピン反対称相互作用 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、モット絶縁体を中心とした強相関電子系をとりあげ、微視的模型における電荷自由度および磁気自由度の動的応答を求めることを目的としている。これまで「マルチフェロイックスの物理」の主要な研究対象であった「らせん磁性体」のみならず、様々な磁気秩序系・スピンテクスチャ系・界面接合系などにも対象を広げたうえで、これまでに知られていない電荷－磁気自由度間の有効的な相互作用（電気磁気相互作用）を理論的に探索するとともに、これらの相互作用により実現する新しい動的電気磁気現象を予言・設計することを目的とする。このような複合的な効果を通じた電磁波とスピンカイラリティ、トロイダルモーメントなどの電荷・スピン（および軌道）自由度の秩序とのカップリングを明らかにする予定である。
今年度の成果として、新奇電気磁気効果の発見があげられる。従来知られていたスピン反対称相互作用とは異なる成分の電気分極が、格子の局所的対称性によって生じることを微視的模型より導き、今まで考えられていた以上の様々な磁気構造を持つ物質において電気磁気効果が起こりうる事を示した。ビスマス鉄酸化物BiFeO3や層状三角格子系CuFeO2, RbFe(MoO4)2 等における静的電気分極をこの機構を用いて説明することに成功した。
また、キラル絶縁磁性体Cu2OSeO3おいて、エレクトロマグノン励起の干渉効果に由来する「マイクロ波ダイオード効果」を発見した。また、複数の実験グループと連携して、このようなマイクロ波周波数領域でエレクトロマグノン励起を示す新奇物質の探索に取り組んだ。
これらの成果は、Nature Communications誌などの論文にて発表された。また、伝統ある磁性の国際会議(MMM2014)や強相関電子系の大きな国際会議(SCES2013, LT27)などの会議で講演を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書において示した本研究の目的は、A）強相関電子系における微視的模型に立脚した、電気磁気相互作用の解明、 B）電気磁気相互作用によって引き起こされる動的電気磁気効果の解明、C）動的電気磁気効果を用いた、スピン・電荷・軌道自由度の秩序構造の検出手法の開発、である。このうち、項目A)と項目B)に関しては、今年度の研究実績の概要にも示したとおり、微視的模型を用いた理論的な成果をあげ、また実験グループと共同で、いくつかの磁性体における静的および動的電気磁気効果の解明を行うなど、当初の計画以上に進展している。一方、項目C)に関しては、現状では顕著な成果をあげるに至っていない。
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| 今後の研究の推進方策 |
今後は、A)引き続き新奇電気磁気相互作用の解明を行う。それを検証するため、種々の物質における静的なスピン由来電気分極の機構解明を行う。B)引き続き新奇電気磁気相互作用が引き起こすエレクトロマグノン励起や、新奇磁気構造系における動的電気磁気効果などについて調査する。C)動的電気磁気効果を用いた、物質の諸状態の検知手法の開発を行う。
これらの研究成果を、論文や国際会議などで発表する。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
最終年度において、研究成果を発表するための旅費が当初の計画よりも必要であると判断したため、予算を振り替えた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
海外旅費（ICM2015、APS2016など）の一部に用いる。
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