研究課題/領域番号 |
25287114
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 会津大学 |
研究代表者 |
平田 成 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (80372655)
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研究分担者 |
出村 裕英 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (10360009)
杉田 精司 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (80313203)
成瀬 継太郎 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (10301938)
太田 直哉 群馬大学, 理工学研究科, 教授 (10270860)
高橋 成雄 東京大学, 新領域創成科学研究科, 准教授 (40292619)
矢口 勇一 会津大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (00609109)
石川 博 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60381901)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 小惑星 / 形状モデル / Photometric stereo / 3次元地理情報システム / 重力ポテンシャル分布 |
研究概要 |
平成25年度は以下の3つの技術開発課題を解決するソフトウェア開発とその検証作業を行った.技術開発課題(1) 小惑星高精度形状モデル構築手法の確立,技術開発課題(2) 小惑星表面形状と表面アルベドマップの同時推定手法の確立,技術開発課題(3) 高精度形状モデルを基盤とした小惑星3次元地理情報システムの構築. 技術開発課題(1)では,はやぶさ初号機の画像データセットなどを用いて,オープンソースソフトによる小惑星形状推定を試み,その精度検証を行うとともに,はやぶさ2における観測計画へのフィードバックを行った.その結果,bundlerとPMVS2による形状推定手法は,探査ミッション初期のモデル構築に十分使用可能であることがわかった. 技術開発課題(2)では,データ取得時の日照条件の制約が現実的なレベルまで緩和された新しいPhotometric stereo法による表面形状と光散乱モデルの同時推定手法を開発し,試験実装を行った. 技術開発課題(3)では,既存の小惑星3次元地理情報システムを改良し,小惑星表面地質の分布が解析可能となるようにすることができた.さらに,当初は平成26年度に着手する予定であった科学的目標の解決に向けたデータ解析を開始している.その結果,小惑星表面の重力ポテンシャル分布と表面地質の関係が明らかになりつつある.また,主成分分析法を用いて,宇宙風化度の地域差の分布の把握を行うことも始めている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
技術開発課題(1) に関わる3Dスキャナと模型による形状推定手法の精度検証は,3Dスキャナの調達が遅れ,また取得データの解析に予想以上の時間を要しているため,平成25年度中に完了できていない.一方,技術開発課題(3)の成果を受けての小惑星表面地質の分布の解析は当初の予定よりも前倒しで開始できている.全体としてはおおむね順調に進展していると評価している.
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今後の研究の推進方策 |
技術開発課題(1) に関わる3Dスキャナと模型による形状推定手法の精度検証は,データ取得までは完了しているため,解析を進めて今年度中の完了を目指す.また,技術開発課題(2)に関わる部分では,新しいPhotometric stereo法の完成を目指す.技術開発課題(3)の小惑星3次元地理情報システムの改良は引き続き実施して,2つの科学的目標(イトカワを構成するrubbleのサイズ頻度 分布の解明,宇宙風化度の地域差の分布の把握と天体全体の地質構造・地質活動に関する理解)の達成のための解析を進める.
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