波線理論、有限波長理論両方を用いるハイブッリドP波トモグラフィーを開発した。新手法を北東アジア、フレンチポリネシアの広帯域地震観測網データに適応し詳細なマントル構造を得るのに成功した。中国の松遼盆地周囲の新生代火山の下に約200kmまで続く低速度異常が見られる。マントル遷移層の松遼盆地の下で日本海溝から沈み込んだ横たわるスラブの穴が観測され、これは白頭山の火成活動と関連していると考えれる。フレンチポリネシアの下の核-マントル境界からの低速度異常は地表までまっすぐ続いておらず、深さ550ー900kmで急に異常の水平規模、振幅ともに小さくなり、地表の4つのホットスポット火山を結ぶリング状となる。
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