研究課題/領域番号 |
25287128
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
家森 俊彦 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40144315)
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研究分担者 |
竹田 雅彦 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30236484)
冨澤 一郎 電気通信大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (50111696)
佐納 康治 朝日大学, 経営学部, 准教授 (50257531)
小山 幸伸 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 研究員 (50598513)
井口 正人 京都大学, 防災研究所, 教授 (60144391)
能勢 正仁 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90333559)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 微細沿磁力線電流 / 電離層ダイナモ / 大気波動 / SWARM衛星 / 精密磁場観測データ |
研究実績の概要 |
1. SWARM衛星磁場観測データの解析: 2013年11月22日にESAが打ち上げたSWARM衛星3機の磁場観測データを、当研究経費で購入したワークステーションに取り込み、使用可能な形式に処理してディスクアレイに収納する手順を確立し、継続的にデータを蓄積しつつある。平成26年度には、フラックスゲート型磁力計のセンサー座標系データにハイパスフィルターを通して得られた、人工衛星軌道に沿って見ると短周期(10-30秒)で変動する成分が、静止した点ではどのような時間スケールで変動しているかを、打ち上げ直後約2ヶ月間、3機がほぼ同一軌道を飛翔したという機会を捉え、推定した。その結果、主に200-300秒あるいはそれ以下の時間スケールで変動していることが推定された。これら変動が、電離圏まで到達した下層大気の波動が原因であるとすると、それらの波動は、音波モードであると推定されるこの結果は、Geophysical Research Letter誌に公表した。 2. 離島における地上磁場観測の継続による高品質データの取得: トカラ中之島に設置した観測装置の保守と観測の継続により、ノイズの極めて少ない磁場観測データと微気圧および降雨等の高時間分解能データを取得しつつある。 3. 国際学会での発表: SWARMサイエンス会議およびAGU Fall Meetingに出席し、研究成果を発表すると共に、関係者と議論を行った。 4. CHAMP衛星による磁場観測データの統計的解析: CHAMP衛星による約10年間の観測データを詳細に解析し、中低緯度で見られる微細沿磁力線電流によると考えられる磁場変動についての統計的性質をEarth, Planets and Space誌に公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.ESAのWEBページにアップロードされたSWARM衛星磁場観測データをすべて京都にダウンロードし、解析に使える形式に変換するシステムが完成し、順調にデータを蓄積しつつある。 2.初期のSWARM衛星観測データを解析し、その成果をGeophysical Research Letter誌に投稿し、受理された。 3.トカラ中之島で、良質な地磁気および微気圧観測データを取得できた。
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今後の研究の推進方策 |
1.既に蓄積された約1年半以上のSWARM衛星磁場観測データおよび静止衛星による雲画像を詳細に解析することにより、中低緯度で見られる微細沿磁力線電流の3次元的構造と生成機構を明らかにする。 2.トカラ中之島およびそのほかの観測点で蓄積されつつある地磁気および微気圧観測データを用いて、中低緯度で見られる微細沿磁力線電流をその一部として含む電流系が地上に作る磁場変動を解析し、その成因を解明する。
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次年度使用額が生じた理由 |
スケジュールが合わず、国内学会に参加しなかったこと、また、物品費(消耗品)の使用が予定より少なかったことによる。
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次年度使用額の使用計画 |
観測装置の故障による保守費が発生しているので、それに充てる。
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