研究課題
オーストラリアから技術者の来訪を受けて、二次イオン質量分析計(SHRIMP II)のアップグレード更新ユニット(モーターシステムSMC3、磁場コントロールユニットFC3、いずれも平成25年度に別予算で購入)の取り付け、ならびに、調子の悪かった真空系のゲートバルブの交換をおこなった。そうした装置の改良に伴って、U-Pb年代測定の効率化と精度向上のための装置の調整をおこなった。太古代から新生代までの様々な年代のジルコン試料を対象に、研究補助者の補助を受けて精力的にU-Pb年代測定をおこなってデータを蓄積するとともに、中生代~新生代のジルコンを用いて、高精度のU-Pb年代分析データ取得のための基礎実験とジルコン結晶の評価とキャラクタリゼーションをすすめた。特に、愛媛県石鎚コールドロンに産する新生代火山岩・深成岩類に産するジルコンの結晶表面観察とU-Pb年代測定をさらにおこなって、数10万年スケールのU-Pb年代分解能を得るとともに、火山・深成岩体下部でのマグマプロセスについての検討をおこなった。平成26年9月に日本で開催した第7回国際SHRIMPワークショップにおいて、国内外の研究者とSHRIMPを用いた同位体分析の高精度化と応用についての検討と意見交換をおこなった。
3: やや遅れている
実験室の工事と新しい装置の設置に伴って、既存の二次イオン質量分析計(SHRIMP)の停止と一部解体・再設置・再調整作業がおこなわれたことに伴い、予定していた研究計画にやや遅れが生じている。
引き続き二次イオン質量分析計の調整と基礎実験をすすめ、長時間連続分析の安定化と微小領域分析の空間分析精度(分析位置再現性)の向上を図り、測定の効率化と精度の向上に取り組むとともに、新生代~第四紀ジルコンならびに太古代ジルコンという2つのエンドメンバーの分析をすすめ、微小領域高精度ジルコン年代測定から切り拓く地殻形成素過程研究への貢献に努める。二次イオン質量分析計(SHRIMP)を用いた試料調整や分析の実施には手間と時間がかかり、また経験と熟練を要する。こうした研究のボトルネックとなっている作業を解消するために研究支援員を雇用して基礎実験と高精度分析を精力的に実施する。
上述のとおり、実験室の工事と新しい装置の設置に伴って、既存の二次イオン質量分析計(SHRIMP)の停止と一部解体・再設置・再調整作業がおこなわれたことによって、分析装置が当初目論見通りに稼働することができなかっために研究計画にやや遅れが生じ、予定していた研究補助者を雇用するに至らなかった。
二次イオン質量分析計(SHRIMP)を用いた試料調整や分析の実施には手間と時間がかかり、また経験と熟練を要する。こうした研究のボトルネックとなっている作業を解消するために予定していた研究支援員を翌年度以降に雇用して基礎実験と高精度分析を精力的に実施する。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (14件) (うち国際共著 1件、 査読あり 12件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
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