研究実績の概要 |
本課題では,捕獲岩が由来した深度を100mオーダーの解像度で決定できる地質圧力計の開発を目指した. リソスフェアは地球深部からもたらされる温度や流体の通り道として常に議論の舞台となっている.物理的観測によってその物質構造や流体の存在が間接的に推察されつつあるが,その検証や流体の実体,分布などを論じるには岩石構造を直接かつ精細に調べることが有用であろう.そこで我々は,捕獲岩に見られる流体包有物の残留圧力を利用し,捕獲岩の由来深度を精密に読み取ることにより,100mオーダーの解像度でリソスフェアの岩石構造を描き出すことに挑んだ. 最終年度となる今年度は,天然鉱物に見られる流体包有物を用い,実際に100mオーダーの解像度でホスト鉱物の由来深度を議論できるのかどうかに挑んだ.その結果,極めて精確にホスト鉱物の由来深度を決定できることを証明できた.その成果は総説として学会誌に公表した(山本ほか,2015).
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