研究課題
1.中央代謝の実験的記載のために、アミノ酸の代謝プロセスの追跡検証を進めた。同化・異化過程を精度良く追跡・評価するために、トレーサーとして用いる化合物に部位特異的な13C-, D-,15N-ラベルを行い、分子トレーサーの生体内拡散経路を辿った。また、天然存在比のアミノ酸炭素・窒素同位体比測定の最適化を併せて進め、成果の一部をInternational Journal of Mass Spectrometry誌(2015年2月にPublication Award_IJMS2015受賞)、および国際有機地球化学会議で発表した。2.代謝経路の酵素反応を検証するために、Enzyme Commission code (EC)の記載と実際に観察された分子レベル解析の結果を相補的に評価することを目的に、DNAおよびRNA抽出・精製・シーケンス解析に関わる技術員1名を雇用し、有機化学的な解析に加えて、次世代シーケンサーを用いた代謝マップの構築を進めた。関連内容として、次の招待講演を行った【高野 淑識(招待講演):海底下メタンの行方と地球生命科学(2015年 日本地球惑星科学連合大会、千葉・幕張、2015年5月)】3.海底下生命圏とD-アミノ酸分子の研究調査の基礎過程として、重要な有機分子のマススペクトルデータを示しておくことは、将来に有益であるため、ピバロイル / イソブチルエステル誘導体化とGC/MS法によるマススペクトルデータ集をまとめた。この誘導体化法は、(1) 誘導体基にケイ素やフッ素を含まないことから、分離ラインや検出器へのダメージが少ない、(2) 誘導体化体アミノ酸が比較的安定である、(3) D-, L-光学異性アミノ酸の分離が可能、という特徴がある。ゆえに、ガスクロマトグラフィー/同位体質量分析法(GC/IRMS)による分子レベル(Compound-specific)、もしくは、光学異性体分子レベル(Enantiomer-specific)の安定窒素同位体比分析においても有用な誘導体化法である。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
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