降着円盤は宇宙において普遍的構造であり、円盤ガスが中心天体に降着することで莫大な重力エネルギーを開放することが知られている。これまでガス降着のメカニズムとして、「磁気回転不安定(MRI)」と呼ばれる電磁流体波動を介した降着メカニズムが重要であることが知られていた。しかし、ブラックホールなど中心天体の質量が大きな降着円盤では、無衝突プラズマ系であることが知られており、電磁流体近似が成り立たない。本研究では、プラズマ粒子コードを用いたシミュレーションを行い、無衝突系のガス降着率が、従来の電磁流体近似よりも10倍程度促進され、更に高エネルギー粒子が効率よく生成されることを見出した。
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