本研究では、これまでナノレベルの立体構造形成や磁気媒体の開発などに使われてきたイオンビーム誘起CVD法の技術を、シリコンカーバイド(SiC)の薄膜成長に応用することを試みた。メチルシランを1.2sccmの流量でシリコン基板に吹き付けつつ、そこに100eVのアルゴンイオンビームを重畳する実験を行った。実験中の基板温度は600、700、800℃とした。その結果、600度の場合に、イオンビームの効果によりSiCの成長が促進されることを確認した。一方、700、800度の場合には、イオンビームの有無にかかわらず、SiCの成膜が起こった。
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