研究課題
本年度は主に二つの課題について研究を行った。(1)水分子と硫化水素分子の反応水酸基と硫化水素の反応については、前年度にSTMを用いた水素移動反応の観測を行ったが、本年度はDFT計算による反応過程の解析を進めた。その結果、STMで観測された反応中間体の構造を決定することに成功した。同様に酸素原子と硫化水素の反応についても、反応過程の解明を行った。これらを纏めて投稿し,発表した(Phys.Chem.Chem.Phys.18, 4541-4546 (2016))。(2)水分子と一酸化窒素の反応前年度にCu(110)表面に吸着した一酸化窒素が水分子によって低温(10 K)で還元されることを見出した。本年度はその一般性を調べるために、Cu(111)表面における反応を調べた。この表面ではNOは三量体を形成するが、同様に三量体として水分子と相互作用することを明らかにした。10K-80Kの温度範囲で観測した結果、二種類の相互作用が存在することを発見した。さらに電子エネルギー損失分光を用いた振動分光により、水分子との相互作用によりN-O伸縮振動が低波数シフトすることを観測し、表面におけるNO還元反応が水分子により促進されることを確認した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件、 招待講演 2件)
Phys. Chem. Chem. Phys.
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