研究成果の概要 |
温度可変のSTMを導入することで,水素や水分子が関与する表面反応を捉えることを目標にした。まず,Cu(110)においてSHとOHのフリップ運動を観測し,その活性化障壁を見積もることに成功した(PCCP18, 4541,2016)。さらに,硫化水素と酸素原子の間の水素移動反応を直接観測した。加えて一酸化窒素のフリップ運動の温度依存ダイナミクス(J. Chem. Phys. 140, 214706, 2014)。その後,一酸化窒素と水分子の反応について研究を進めた。表面温度100 Kに増加すると,Cu(111)に吸着するNOの3量体が水分子によって分解して4量体を作製することが明らかとなった。
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