研究課題/領域番号 |
25288007
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
武田 和行 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 講師 (20379308)
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研究分担者 |
香川 晃徳 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (70533701)
根来 誠 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (70611549)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 電子スピン共鳴 / ゼロ磁場ESR / 電池材料 |
研究実績の概要 |
これまでに、遷移金属酸化物試料のゼロ磁場ESRを行うために、マイクロストリップラインを用いた平面型のマイクロ波検波器の開発に着手するとともに、マイクロ波の送受信システムを構築してきた。26年度はゼロ磁場実験に先立って、開発したマイクロ波システムにおいてマイクロ波の送受信が正常に行われているかを確かめるために、磁場中に置かれたフリーラジカル試料および銅錯体試料のESR信号測定を行った。市販の一対のコイルに自作の鉄心を取り付けて、直流安定化電源と組み合わせることによって、グローブボックス内にも持ち込める小型サイズで、かつ試料空間ギャップ10mm、上限0.4テスラまで発生することが可能なコンパクト電磁石を製作した。ここに誘電体共振器を用いたXバンドマイクロ波共振器を組み込むことにより、ESR信号を検出することに成功した。また、マイクロストリップラインを用いた非共鳴の平面型検出器を用いた場合でも、ESRの標準試料であるジフェニルピクリルヒドラジル(DPPH)の不対電子起因のESR信号を検出することに成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
製作したマイクロ波送受信システムを用いて、ゼロ磁場ESR信号の取得に試みたものの、まだ信号検出には至ってない。ゼロ磁場ESRの前に磁場を用いる通常のESR測定を行い、両者共通の周波数帯であるXバンド帯において送受信の効率を最適化するのが得策であると判断し、静磁場を供給するための電磁石の製作に注力することにした。そして、磁場下における通常のESRの実験を行い、実際にESR信号を取得することに成功した。当初目標である、ゼロ磁場ESRの検出はまだ出来ていないため、研究の進捗はやや遅れていると言わざるを得ない。しかしながら磁場下でのESR信号は見えているために、今後迅速に様々な測定条件・ハードウェア構成の下で感度をチェックしてシステムを最適化できれば、今後ゼロ磁場ESRも可能になると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
上記で述べたマイクロ波受信効率の最適化を迅速に行い、ゼロ磁場ESR測定の実現を目指す。ゼロ磁場ESRのデータが文献に報告されていて、検出が可能であることが既知である試料を用いて信号の取得を試みる。検出に成功した後は、ゼロ磁場ESR実験のパラメータ・装置構成を変えつつ感度をチェックして、最適化に努める。また、電池材料への応用を意識して、ゼロ磁場ESRが報告されていない、未知試料を用いた実験も行っていく。
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