物質の光応答は、それらの物理化学的性質を理解するために、極めて重要なものである。通常、物質の光応答の理論は双極子近似に基づいているが、双極子近似の下では、光の空間的非一様性及び自己無撞着な光と物質の相互作用は無視される。しかし、この様な簡便な近似は多彩な光応答を限定してしまう。近接場光は、ナノ構造体の界面領域に局在化する非伝播光であるが、近接場光と物質の相互作用は、特有の光応答を引き起こすと期待されている。我々は、より一般的なナノ光応答理論の開発を行い、第一原理計算に基づいて新奇な近接場光励起過程を実証した。更に、光・電子融合物質の設計に資する基礎科学的知見を得た。
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