巨大π電子系を有する「スピン非局在型」の有機中性ラジカルであるトリオキソトリアンギュレン(TOT)を基盤として、新規な物性・機能を開拓することを目的とした物質開拓を行った。高導電性π積層ラジカルポリマーの開発については、TOT骨格に様々な置換基を導入した誘導体と様々なサイズの対カチオンを組み合わせた混合原子価塩の作製を行い、金属的導電挙動に近い高導電性を示すものを得た。また、多孔質シリカにTOTのラジカル種を内包させたメソポーラスTOTシリカの作製に成功した。合成した物質を活物質とする二次電池について、高い放電容量と比較的良好なサイクル特性を持つデバイスの作製に成功した。
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