反応活性な金属間結合をもつ金属錯体の合成と機能解明を目指し、本研究に取り組んだ。アダマンチル基を2,6-位に導入した嵩高いフェノキシド配位子をもつ錯体とヒドリド試薬の反応から、ヒドリド架橋の二核錯体を合成した。この錯体はd1 Nb(IV)の反磁性錯体であり、ニオブ金属間に相互作用が存在する。このヒドリド錯体にCOを作用させると、COの水素化、脱酸素、C-C結合形成が連続的に進行し、メチリデン架橋錯体を中間体として経由し、ビニリデン架橋の二核錯体が定量的に生成する。本研究により、COの活性化反応において金属間結合が重要な役割を担っていることを明らかにした。
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