研究成果の概要 |
リン複素環一重項ビラジカル:1,3-ジホスファシクロブタン-2,4-ジイルの高い電子供与性を活かし、低電圧で駆動する有機半導体の創製を目指した。まず、リン上にアリールメチル基を導入した幾つかの大気安定な誘導体がp型FETとして機能することを見出した。続いて、芳香族求核置換反応およびアラインを用いる合成プロセスによってリン上に直接アリール基が導入されたビラジカルを合成し、それらもp型半導体として機能した。半導体特性を示す大きな要因となっているラジカル電子が局在化している様子を実験的に証明することに成功した。一方、視認性の高いフッ化水素の検知物質として有用であることも併せて見出された。
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