分子磁性体の分野は、単結晶X線回折を用いた精密な分子構造解明によって発展してきた経緯がある。そのため柔らかい構造を有するゲルを用いた分子磁性体の構築は、構造が不鮮明であるため、ほとんど例がなかった。また一次元構造を基本とするゲル中での金属スピンどうしの磁気的相互相はそれほど強くないことが予想される。 そこで今回、比較的磁気的相互作用が大きく、構造の柔軟性を有する、有機スピンと金属のスピンからなるヘテロスピン系で、ゲル磁性体の構築を目指した。また、得られたゲル磁性体が、磁場などの外部刺激に応答する現象についても検討を行った。
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