研究課題
本研究は、「固体物質の電子状態・エネルギー状態を化学的に制御できるナノレベルでの光機能界面を構築し、電子状態の詳細な解明も含めて、自在に界面電子状態を操る方法論として確固たるものとすること」を目標とした。さらに、この考え方を磁性のみならず、超伝導性に拡張し、物性を光制御できる新材料を創製することを通して、次世代に向けた新規な光機能性材料創製の技術提案を行うことを目指した。昨年度、「超高濃度にホウ素をドープしたダイヤモンド」の界面に着目し、As-grownである水素終端のダイヤモンド薄膜と、表面酸化を行ったダイヤモンド薄膜のそれぞれについて超伝導特性を評価したところ、臨界電流値が異なることがわかった。すなわち、表面の化学種によりバルクの超伝導特性を制御できる可能性を見出し、さらに、その可逆性も確かめられた。本年度は、この考え方を拡張し、表面にフォトクロミック化合物であるアゾ化合物を精密に修飾することで、光照射により可逆に超伝導特性を制御することを目指した。具体的には、電気化学的に、アゾ化合物で表面修飾を行った超伝導ダイヤモンドを作製し、これに紫外光、可視光を交互に照射することで、その臨界電流値を可逆に制御することに成功した。すなわち、界面の化学制御により超伝導特性を可逆に制御できることを見出した。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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