研究成果の概要 |
大規模かご型分子骨格の内部にπ電子系を回転子として架橋した分子は、その構造の類似性から“分子ジャイロコマ”と呼ばれている。これまでに我々はベンゼン環を架橋した分子について、その合成・構造解析法を確立し、さらに結晶中における環の回転運動とそれに伴う結晶複屈折変化を明らかにしてきた(W. Setaka and K. Yamaguchi, PNAS, 109, 9271 (2012))。本研究では、双極子モーメントを有するπ電子系として、フラン、チオフェン、セレノフェンを回転子として架橋した誘導体を合成し、結晶内部における環配向秩序の温度依存性と、それに伴う結晶複屈折と誘電損失の変化を明らかにした。
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