研究課題/領域番号 |
25288054
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大久保 政芳 神戸大学, 工学研究科, 名誉教授 (30031131)
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研究分担者 |
竹内 俊文 神戸大学, 工学研究科, 教授 (70179612) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 中空高分子微粒子 / 乳化重合 / 重合開始剤 / 開始剤切片の埋没 / ノニオン性界面活性剤 / 過硫酸カリウム / マイクロサスペンション重合 |
研究実績の概要 |
一年延長の期間内に二つの大きな成果を得た。その一つは、ノニオン性界面活性剤を用いる通常の乳化重合系において作製されたサブミクロン径の疎水性ポリスチレン粒子内部に媒体から水が浸入し、結果として(多)中空高分子微粒子が合成するという学術的のみならず、応用的にも非常に興味のある現象を明らかにしたことである。二つ目は、その主原因が、通常の乳化重合で常用されている過硫酸カリウムの開始剤切片である硫酸基がポリマー末端基として粒子内に埋没することにあることを明らかにした。このことは、結果として1970年代から、多くの学術論文において全てのポリスチレン末端基の硫酸基が粒子表面に存在した。粒子のコロイド安定性に寄与するとの長年の定説に疑問を投げかけるものであり、これまでの議論の見直しを行うきっかけを与えるとともに、今後の基礎研究にも大きな貢献をするものと期待される。すでに欧米論文誌に2件論文として掲載済みであり、昨年10月タイでの国際会議、本年3月福井でのアジア討論会において招待講演の機会が与えられた。 さらに、前年度において制御・リビングラジカル重合のマイクロサスペンション重合への適用により、親水性モノマーへの適用が不可能とされてきたマイクロサスペンション重合の長年の問題を克服可能であることを示した。さらにその原因が連鎖移動剤からのヨウ素化合物重合末端基の水難溶性に基づいてモノマー滴中からのラジカルの脱出が抑制されることに基づくことを動力学シミュレーション研究から明らかにし、Radical-Exit Depression (RED) 効果と命名した。この研究成果は、昨年6月タイ並びにスペインでの国際会議において招待講演の機会が与えられた。現在、シミュレーション研究成果を纏めており、近く論文投稿する予定である。
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現在までの達成度 (段落) |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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