キノン類の可逆的かつ速い電子授受に着目し、高密度アントラキノン置換ポリマーによるn型電荷輸送の実現とこれを有機負極とする有機空気二次電池の実証を起点として、電子交換反応に立脚した導電・蓄電現象に関わる基礎化学を確立した。具体的には、有機負極として働くポリマーの拡充を ①斬新なn型レドックス席の創出と電荷輸送・貯蔵過程における ②電子・イオン輸送の解明により計り、③ヘテロ接合界面での交差反応に基く整流性の発現を、ロッキングチェア型電荷補償やp・nバイポーラ性を持たせた ④多様な電荷貯蔵形態の実証を経て ⑤超高密度蓄電物質の創出へと繋げる道筋で、エネルギー変換に関連した有機物性化学を開拓した。
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