研究課題
最終年度として圧電性らせん高分子における擬似レイリー波を安定的に創生し,それを利用したアクチュエータを具現化することを目指し研究を進めた.1)アクチュエータ駆動可能な擬似レイリー波は積層構造を持たせるときその厚みが影響を及ぼす.2)1)のために残念ながら最終年度でも50層の積層体までが再現性のある高分子積層アクチュエータの限界であった.3)成形体アクチュエータにおいては円筒成形体においてトランスヂューサ化に成功した.スピーカとして十分な機能を持つことを見出した.しかしながら積層タイプのような大トルクを実現するには至らなかった.4)円筒モータについてはその擬似レイリー波の発生について,大きなモータを実現しようとすると前年度から計算以下のトルク発生,あるいはの擬似レイリー波すら発生しない現象のため,大型化に行き詰っていた.その原因をlaser変位計を用いて直接変位を測定するシステムを急遽構成し,その原因を追究した結果,座屈効果の影響であることを最終年度に間際に突き詰めることができた.5)積層体を利用しトルクを利用した回転システムを用い,上記の結果に基づき研究の初期の段階では安定的な運用ができなかったものが6hr以上継続が可能になった.また平板型では安定的な積層体が50層程度であったが,次世代の高分子圧電体として,フィルムを積み上げるのではなく,ロール状に巻き取りそれを押しつぶし積層体とするもので,飛躍的な総数を安定的に実現できるようになった.研究年度終盤に開発できたこの圧電ロールは1000層を可能にし今後の研究の進展に多大な貢献をするものと期待される.
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Advances in Polymer Science
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