キラル認識抗体を用いることでより厳密かつ簡便な光学分割と不斉触媒反応が実現できると考え、本研究では軸不斉を有するビナフチル誘導体(BN)に対するモノクローナル抗体を作製し、その不斉認識能を調査した。モノクローナル抗体とBNのラセミ体を混合し、限外ろ過を行うだけで、高い光学純度の一方の光学異性体が得られた。また、ラセミ体を用いても不斉認識能を有する抗体を作製できた。 ロジウム錯体のみならずパラジウム錯体をも取り込むモノクローナル抗体を作製できた。アリル位アミノ化反応において、得られた抗体と遷移金属錯体との複合体を用いると立体選択的に反応が進行することがわかった。
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