研究課題/領域番号 |
25288083
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小澤 正邦 名古屋大学, エコトピア科学研究所, 教授 (30252315)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | セリウム / ナノ粒子 / 触媒 / 環境浄化 / 排気処理 / 自動車 / 酸素貯蔵能 / ジルコニウム |
研究概要 |
機能分担型ナノ複合粒子の開発とこれを触媒とする排ガス浄化技術の開発をめざした研究を行った。これらの材料の物性と浄化活性向上等の関係、排ガス浄化反応の基礎研究を踏まえた、触媒性能の最適化、さらには排ガス浄化触媒としての高性能化を目指している。第一に、セリウム酸化物(セリア)系の酸素貯蔵能(OSC)触媒で各成分配置により複合構造とするための粒子形態制御、複合ナノ粒子触媒等の作製方法を検討した。形態制御されたセリア粒子合成の検討では、均一沈殿法の条件によって球状からロッドの形態で作製できることを明らかにした。この中で球状ナノ粒子のセリアは触媒材に向けた複合化において有用な材料と判断された。そこでさらに水熱条件下でナノ結晶状のセリア粒子(10ナノメーター未満)を比較的容易に合成する手法を検討し、安定な生成条件ならびに粒径制御手法を見出した。これらの合成手法を複合化触媒の作製に活かして研究を展開してゆく。第二に、異なる元素間の相互作用を検討するなかで、鉄―セリウム酸化物複合化触媒を取りあげ、昇温還元法による酸素放出挙動を調べた。セリウム複合酸化物を作製し、その成分間の相互作用から低温で酸素生成が観測される効果を見いだした。複合化の効果とともに耐熱性等に関連した熱処理による組織形成と酸素放出の関係を調べた。相互作用の最適化によって組織制御の観点から、ナノ粒子の界面の影響による酸素放出挙動が示唆された。さらには、貴金属ナノ粒子の合成とその担体への複合化についても研究を行い、白金やパラジウムの10ナノメーター未満の粒子の安定な合成手法を検討した。以上、ナノ材料の複合微細構造制御の確立に向けて成果があった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一連の実験で得られた内容を検討して、口頭等の学会発表ならびに論文発表を行うなど、計画に沿った成果を挙げている。
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今後の研究の推進方策 |
セリア系複合材料における複合化と機能、高い酸素貯蔵能の発現を関係づけて、機能分担を利用した浄化作用の応用面で性能を発現できると考えており、本研究の次の段階で検討してゆく予定である。さらに微細構造を制御した触媒での研究を進め、複合化触媒の合成を精密化するとともに物性、触媒基本特性、排ガス浄化活性を調べ、ナノ構造の構築と機能分担による排ガス浄化性能の向上にむけ研究を推進する。
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次年度の研究費の使用計画 |
自作装置の作製をする費用で今年度はその設計等を慎重に進めてきたため。 順次使用してゆく。
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