エンジン・燃焼排ガスやVOC等の処理技術では触媒材料を利用してその高度化を図ることが実用および学術上、有用で先進性を有する。そのような浄化作用の設計にあたり、その機能で分担させることで高性能化をはかる研究を行った。とくに高効率浄化のための貴金属高分散担持状態(相互作用の最適化)と燃焼条件を最適化する格子酸素の高効率利用(特に酸素貯蔵能(OSC)の向上)の活用について研究した。これらの機能を活かせる最適化構造として機能分担型ナノ複合粒子の開発する研究を行った。組成系としてセリアジルコニア(CeO2-ZrO2)系のコアシェル類似構造、ナノ粒子分散アルミナ系(コート層)、さらにはTiO2―層状化合物系までを広く検討し、複合化による効果を検討した。これらを触媒とする大気・排気の浄化技術の開発をめざしてその性能を評価した。セリアジルコニア系のOSC触媒では、各成分配置をコアシェル構造とすると、複合ナノ粒子ならびにその貴金属担持触媒において、複合担体の表面層での貴金属/セリウム相互作用の精密制御できる可能性を見出した。OSC作用を高度に利用できるような、複合微細構造制御、浄化反応の基礎研究とその最適化による排ガス浄化触媒の高性能化を検討し、さらに機能分担型触媒の三元活性等を評価した。
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