研究課題
デバイスレスXe-flash TRMCシステムを駆使して、高効率太陽電池実現のための新たな高分子材料とフラーレン材料の設計・合成を行った。これまでにイソインディゴ(IDG)の類似体であるチエノイソインディゴ(TIDG)を開発し、高分子太陽電池へ展開したが、長波長吸収のトレードオフとして励起子寿命が短くなり、拡散長の低下と太陽電池効率の低下を引き起こした。そこで、IDGとTIDGの両者を非対称に結合させたベンゾチエノイソインディゴ基(BTIDG)を設計し、新規高分子を合成した。2次元微小角X線回折の結果から、この高分子単膜は95%にも上る最高クラスのface-on配向度を示した。太陽電池効率は4.2%まで向上し、BTIDG骨格の優れた電子受容性とホール輸送特性、さらには太陽電池への有効性を実証した。また、5-7員環を有するスピロ(チオ)アセタール基に注目し、可溶性フラーレンSAFn、STAFn(n = 5-7)を設計・合成した。溶媒中では(チオ)アセタール構造の柔軟性が十分な溶解性を確保しつつ、膜中ではフラーレン間の隙間に折りたたまれるように密に充填され効率的な電子輸送が可能となる設計に基づいている。さらに、2つの(チオ)アセタール基は電子供与性基として作用し、LUMO準位を上昇させ開放電圧の向上が期待できる。加えて、高収率かつ簡便な2段階合成法により系統的に誘導体を合成できるため、分子構造と光電変換機能における正確な性能支配因子を詳細に検討した。このような戦略のもと、スピロ(チオ)アセタール化フラーレンの開発と、光電変換特性とそれに関連する電気化学、表面形状、結晶構造を系統的に明らかにした。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 9件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 5件) 備考 (2件)
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