研究課題
タンパク質等の非ゴム成分を多く含む天然ゴムで新たに発見された、ゴム状平坦領域における力学エネルギーの散逸が低周波数で小さく高周波数で大きくなるという現象の発現機構を解明することを目的とする研究を実施した。この常識では考え難い動的粘弾性の周波数依存性について、天然ゴムの構造と物性の関係を解析し、その作動原理を解明した。具体的には、厚さ数10 nmのタンパク質等のマトリックスに平均直径約1 umの天然ゴム粒子を分散させることより形成されたナノマトリックス構造と動的粘弾性の関係を検討した。また、タンパク質を完全に除去した天然ゴム粒子にナノ粒子を結合してから凝固させることにより、モデルとして構造が精密制御されたナノマトリックス構造を形成し、タンパク質等の非ゴム成分を多く含む天然ゴムで見出された動的粘弾性の周波数依存性を検証した。その結果、ナノマトリックス構造を有する天然ゴムはゴム由来のエントロピー弾性とナノマトリックス構造由来のエネルギー弾性の兼ね合いにより損失弾性率(G”)の値が高周波数で大きく、低周波数で小さくなることが明らかとなった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 2件、 査読あり 7件、 謝辞記載あり 7件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 10件、 招待講演 8件)
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