タンパク質等の非ゴム成分を含む天然ゴムで新たに発見された、ゴム状平坦領域における力学エネルギーの散逸が低周波数で小さく、高周波数で大きくなるという新現象の発現機構を解明するための検討を行った。厚さ数10 nmのタンパク質等のマトリックスに平均直径約1 umの天然ゴム粒子を分散させることより形成されたナノマトリックス構造と動的粘弾性との関係をモデル化合物を用いて検討した。ナノマトリックス構造を有する天然ゴムは、ゴム由来のエントロピー弾性とナノマトリックス構造由来のエネルギー弾性の兼ね合いにより損失弾性率(G”)の値が高周波数で大きく、低周波数で小さくなることが明らかとなった。
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