本研究では、Cdなど有毒元素を含まず、かつ高い発光量子収率を示す発光性ナノ材料を用いて、高分子ハイドロゲルの体積相転移現象を利用した波長可変レーザー発振を行った。この目的を達成するために、親水性かつ発光性の半導体ナノ結晶を含む温度応答性高分子ハイドロゲルで安定化したコロイド結晶膜を調整し、光励起によってレーザー発振を試みた。温度による高分子ハイドロゲルの体積相転移により、フォトニックバンドギャップであるブラッグ反射の波長がシフトし、それに伴ってレーザー発振のピーク波長もチューニングすることができた。今後、高分子ゲルの溶媒を水からイオン液体に置換し、高い安定性を有したレーザーデバイスへ応用する。
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