近年、アルカリ形燃料電池が有望視されているが、米国エネルギー省等は燃料電池自動車のさらなる低コスト化を目指し、その作動温度を現状の80 ℃から120 ℃以上に高めることを推奨している。今回の研究で、我々はSnP2O7系水酸化物イオン導電体とそれを電解質に使用した中温アルカリ形燃料電池を報告する。その過程で、Sn0.92Sb0.08P2O7が200 ℃で0.04 S cm-1 に及ぶイオン導電率を発揮し、さらに燃料電池電解質に利用することで147 mW cm-2の出力密度を発生することを見出した。また、この材料がアルミニウム空気バッテリーの電解質としても活用できる知見を得た。
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