本申請では、最近申請者が発見した、空気処理された有機半導体における電子スピン共鳴誘起電流に対し、その発生機構の解明及び素子展開への技術開発を行った。分光技術を融合させることで、この機能が、トラップサイトに捕獲されたキャリヤに由来することを明らかにした。また、これらの系が光照射下において磁場キャパシタンス応答を示すことを明らかにした。空気処理した有機半導体の系においてこの効果が観測されることを示した初めての例である。さらに、電子スピン共鳴操作により、電気容量(誘電率)が変化することを実証した。観測された変化率は0.14%であったが、過去の報告例を遥かに超えるもので最高値であった。
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