研究課題/領域番号 |
25289003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
高橋 宏治 横浜国立大学, 工学研究院, 教授 (90334630)
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研究分担者 |
長田 俊郎 独立行政法人物質・材料研究機構, 元素戦略材料センター, 研究員 (50596343)
北條 恵司 小山工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (10455115)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 自己き裂治癒 / セラミックス / 摩擦・摩耗 / ショットピーニング / トライボロジー |
研究概要 |
本研究の目的は,ショットピーニングと自己き裂治癒を併用して,セラミックスの摩擦・摩耗特性を大幅に向上させることである.優れた自己き裂治癒能力を持つセラミックスを供試材とし,ショットピーニングおよび自己き裂治癒を併用することにより,セラミックスの摩擦・摩耗特性を大幅に向上させる手法を提案する.主な研究項目は以下のとおりである. (a)自己き裂治癒能力が優れたセラミックの開発と摩擦・摩耗特性の評価,(b)SPによるセラミックスの摩擦・摩耗特性の向上,(c)き裂治癒によるセラミックスの摩擦・摩耗特性の向上,(d)SPとき裂治癒の併用によるセラミックスの摩擦・摩耗特性の向上 本年度は,摩擦摩耗試験機を導入し,ボールオンディスク型の試験を実施した.試験後,摩耗量を計測することにより,材料の耐摩耗性を評価した.まず,上記項目(a)として,アルミナ,窒化ケイ素およびジルコニアの基礎的な摩擦摩耗特性を評価した.続いて,窒化ケイ素およびジルコニアを用いて,上記項目(b)について研究を行った.その結果,以下の結果が得られた.(1)ショットピーニングを行うことにより試験片表面に圧縮残留応力が導入された.(2)ショットピーニングを行った試験片(SP材)はショットピーニングを行っていない試験片(Non-SP材)に比べて,耐摩耗性が向上した.(3)SPにより耐摩耗性が向上した理由は圧縮残留応力の効果によるものと考えられる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ショットピーニングが摩擦摩耗特性に及ぼす影響が明らかになっているため,当初の予定通り,研究はおおむね順調に進展していると自己評価している.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究によって,窒化ケイ素とジルコニアについて,ショットピーニングが摩擦・摩耗特性に及ぼす影響が明らかになってきている.今後は,さらに多くの材料において,ショットピーニングとき裂治癒が摩擦・摩耗に及ぼす影響を明らかにする.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初,摩耗量を測定するためにレーザー変位計(80万円程度)を購入する予定でしたが,研究室既存の表面粗さ計を使用することで摩耗量の測定が可能でした.そのため,レーザー変位計を購入しませんでした.その代わりに試験片加工を多めに行いましたが,残額が生じてしまいました. 次年度使用額については,試験片加工や試験治具購入費用として有効に使用したいと考えております.
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