研究課題/領域番号 |
25289008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 和歌山大学 |
研究代表者 |
藤垣 元治 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (40273875)
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研究分担者 |
村田 頼信 和歌山大学, システム工学部, 准教授 (50283958)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 破壊 / 画像計測 / 形状変形ひずみ分布計測 / 高速度撮影 / 多数カメラ / サンプリングモアレ法 |
研究概要 |
平成25年度には,カメラの位置によって撮影方向が変わったとしても計測精度の低下が小さくなるような位相解析手法の提案を行った.サンプリングモアレ法においては,面内変位の計測の場合,物体上の格子のピッチが既知であるため,カメラの撮影方向のキャリブレーションが不要ということが特徴である.そのため,本研究で提案している多数カメラユニットによって,異なる方向から撮影したとしても,同一の物体表面上の座標系として変位等の計測結果の分布が得られることになる.ただし,画像の中で格子が斜め方向に撮影された場合には,計測誤差が増えることになる. 本年は,そのような場合であっても計測精度の低下が小さくできるアルゴリズムを提案して,実証実験によって効果を確認した.さらに,高精度化のため位相解析方法として,サンプリングモアレ法を発展させた重み付け位相解析法を提案した.この手法は,注目画素の近傍の複数点の画素値に対して位相シフト法の式を用いて位相解析を行い,得られた複数の値に対して重み付け平均を行うことで位相値を精度よく求める手法である.画像内での格子ピッチの変化が大きい場合には,サンプリングモアレ法より精度が向上する.この手法が使えるようにソフトウェアの改良を行い,精度について検証を行った. また,平成26年度に計画していた多数カメラユニットの試作を先行して行った.この多数カメラユニットには,640×640画素の白黒のCMOS型の撮像素子を8個用いている.個々の撮像素子には独立して外部トリガをかけることができるようにした.今後予定している構造物の三次元形状や変形,ひずみ分布を超高速で連続的に撮影する実験には,適した構成となっている.レンズを取付ける構造と,高速にトリガ信号を入力するためのタイミング制御回路を取付けることで,本研究の目標としている実験を行うことができる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初,平成25年に予定していた計画とは順番が入れ替わっているものの,平成26年度に予定していた多数カメラユニットの試作についても完了することができている.多数カメラユニットの試作が本研究の最も難しいところであったが,そこができたことで,他の周辺研究については,順調に進むことが予想される.そのため総合的には順調と言える.
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今後の研究の推進方策 |
当初,平成25年に予定していた計画のうち,未完の部分について実行していく.多数カメラユニットを駆動させるためのタイミング制御回路の基本設計も完了し,試作の準備にかかっている.レンズ固定治具を製作することで,実験を行うことができるようになる.今年度後半には,本試作のカメラを用いて,各種の高速現象時の計測を行う予定である.
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