低摩擦特性を有する摺動界面には、摩擦を低減する何らかの境界潤滑被膜が形成されていると言われているが、その物性および挙動はほとんど明らかになっていない。そこで本申請では、サブミクロンオーダのすきまを保ちながら二平板を平行に対向する機構を有する装置を開発し、ストライベック曲線を得ることによって境界潤滑層が潤滑下でどのような働きをしているかを詳細に調査することとした。その結果、試料油に表面吸着層を形成する添加剤を混入して試験を行ったところ、すきまが狭くなるほど試料油の見かけ粘度が下がる傾向が見られた。これより、固液界面に形成された添加剤吸着層が界面すべりをもたらしている可能性が高いことが示唆された。
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