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2014 年度 実績報告書

硝子体手術下の眼球内水流動による網膜変性機序の解明と新手術法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 25289026
研究機関明治大学

研究代表者

榊原 潤  明治大学, 理工学部, 准教授 (10292533)

研究分担者 加治 優一  筑波大学, 医学医療系, 准教授 (50361332)
大鹿 哲郎  筑波大学, 医学医療系, 教授 (90194133)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード硝子体手術 / 眼科 / 流体工学 / PIV / 壁面せん断応力 / 網膜
研究実績の概要

当該年度は、前年度に構築した実物の約4倍大のアクリル製眼球モデルおよび流路系を一部改良して、広範囲のレイノルズ数領域における速度場を測定すると共に、壁面せん断応力を精密に測定した。さらに、数値計算および理論解に基づいて壁面せん断応力を推定し、実験結果と比較した。
灌流ポート出口径および同流速に基づくレイノルズ数がRe=69~2000の範囲で実験を行った。Re=96~900の範囲において、噴流中心速度が軸対称噴流の層流解と良い一致を示すと共に、噴流幅の急激な広がりや渦の形成は見らなかったことから、流れが層流であることを確認した。レイノルズ数の増大に伴ってよどみ域における境界層厚さが減少するため、その速度勾配の算出には困難さを伴った。そこで、境界層を高解像度撮影してPIVを実施し、Re=600で0.2mm程度の厚さの境界層における速度分布を捉えることに成功した。これにより、Re=600までの条件下における速度勾配と最大せん断応力の実測値を得た。なお、さらに高いレイノルズ数範囲(Re=1200~2000)では、噴流が乱流に遷移し噴流幅の急激な拡大が観察されたが、境界層厚さが極めて薄いために、境界層の速度分布測定および壁面せん断応力の算出は困難であった。一方、実験に並行して、実験と同様の境界条件における流れ場の数値計算をOpenFOAMにより実施し、実験結果と数値計算結果の整合性を確認した。また、一様速度分布下における軸対称よどみ流れの壁面せん断応力の層流解に、軸対称噴流の層流解より得られる噴流幅と中心軸状流速を考慮することで、軸対称衝突噴流よどみ域壁面せん断応力最大値を求めるための式を作成した。これにより、灌流ポート出口径、灌流ポート出口流速および眼球直径から容易に最大せん断応力を算出することを可能とした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

実物大模型眼を用いた実験による壁面せん断応力の推定が困難であった。これは、トレーサ粒子が壁面に付着することにより、壁面近傍における速度の精密測定が出来なかったことに起因する。また、次年度に実施予定の加速度付加実験に必要な装置の購入ができなかった。

今後の研究の推進方策

実験に加えて理論および数値計算を併用し、多面的なアプローチにより信頼性の高いデータを取得していく。

次年度使用額が生じた理由

加速度付加実験装置の構築が遅れたために、必要物品を購入しなかったため。

次年度使用額の使用計画

次年度に購入予定の加速度付加実験装置の物品費に充当する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Flow inside an eye under vitreous surgery2014

    • 著者名/発表者名
      DAIKI KONO, SHUN SAKAMOTO, JUN SAKAKIBARA
    • 学会等名
      67th Annual Meeting of the American Physical Society Division of Fluid Dynamics
    • 発表場所
      San Francisco, USA
    • 年月日
      2014-11-23 – 2014-11-25
  • [学会発表] 硝子体手術下における眼球内水流動2014

    • 著者名/発表者名
      河野 大樹,依田悠太郎,坂本 舜,榊原 潤
    • 学会等名
      日本機械学会2014年度年次大会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2014-09-07 – 2014-09-10

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公開日: 2016-06-01  

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