研究課題/領域番号 |
25289043
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
宮崎 康次 九州工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70315159)
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研究分担者 |
高尻 雅之 東海大学, 工学部, 准教授 (50631818)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ナノマイクロ熱工学 / 熱電変換 / 低次元半導体 / 薄膜生成 / ナノインプリント |
研究概要 |
アークプラズマ蒸着法により,ビスマステルライドの超薄膜を生成した.生成した薄膜形状を走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)により測定し,蒸着とアニールによって生成した薄膜の微細構造を評価するとともに熱電特性(ゼーベック係数,導電率)を測定した.その結果,膜厚が100nmあれば,バルクとほぼ同程度の熱電特性であったが,さらに薄い場合,特に50nmの膜厚を下回ると導電率が大きく低下した.一方で,ゼーベック係数が飛躍的に向上する熱電変換における低次元半導体の効果は測定できなかった.導電率の大幅な低下要因を調べるため,TEMで薄膜断面を観察したところ,薄膜形状が微粒子の集合体となっており,間隙が大きい構造となっていた.電子線回折像からは,薄膜がビスマステルライドであることが確認できるため,間隙の大きい構造が導電度を低下させていることが明確となった. 上記のように薄膜形状としては20nm程度の膜厚であれば連続膜と見なせる膜が生成できるようになっており,アニールや薄膜蒸着時のパラメーターで膜の密度を高めればよいことがわかってきた.質の高い薄膜生成には,単結晶基板の利用がよいこともよく知られており,今後の課題である.さらに低次元半導体として膜厚が極薄である超薄膜だけでなく,量子細線の生成まで取組んだ.ナノインプリントで生成した凹凸溝付きポリマー基板上にビスマステルライド薄膜を蒸着した.生成した薄膜をSEMで観察し,溝垂直面には薄膜は蒸着されておらず,溝の凸形状上に線幅50nm程度の細線が一様に生成できていることをSEMで確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画通り,厚さ10nm程度の超薄膜が生成できた.薄膜形状も透過型電子顕微鏡で調べ,熱電特性が低下する原因も突き止められた.さらに低次元半導体生成としてポリマーをテンプレートとして利用する手法で50nm幅の細線まで生成できており,当初の計画以上に研究が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
超薄膜の膜密度を上げるには,蒸着初期の薄膜形状が極めて重要であり,ビスマステルライドと格子定数が近く,構造も似ているSTO単結晶基板を用いて生成を続け,高温でのアニールにも取り組む.一方で量子細線生成については,さらに細かい溝間隔を持つポリマー基板を用いて実験に取り組む.
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