研究課題/領域番号 |
25289052
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
岡 宏一 高知工科大学, 工学部, 教授 (10160649)
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研究分担者 |
芝田 京子 高知工科大学, 工学部, 准教授 (00307117)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 磁気浮上 / 永久磁石 / 薄板鋼板 / 非接触給電 |
研究実績の概要 |
磁気浮上機構の研究として2015年度は以下のことを行った. 薄板鋼板に対する機械的な運動による制振制御のための永久磁石配列の検討を行った.今回の検討では,環境を考慮して使用する磁石をフィライト磁石として検討を行った.その結果ハルバッハ配列の磁石を用いることにより,磁束密度を低減させかつ十分な吸引力が得られることがわかった. 非接触給電を用いたベアリングレスモータにおいては,浮上力を得るために磁極の歯先にテーパをつけているが,このテーパの影響について調べた.その結果,テーパがあるために不安定力が増すことが確認された.そのことを詳細に調べるために磁路解析ソフトを用いて検討した結果,受動安定と考えていた自由度を制御する必要があることがわかった.現在配線の見直し,コントローラの再設計を行っており,その後浮上・回転の実験を行う予定である. 非接触給電を用いたスライダにおいては,浮上が成功しゼロパワー制御を行うことにより非常に小さな電力で浮上が可能なことがわかった.しかしスライダ浮上の横揺れと回転の運動が連成し振動の減衰性能が低いことが明らかになった.これに対し非接触給電機構であるジェネレータからのトルクを能動的に制御することにより振動減衰させる機構を考案し,現在検証を行なっている. 非接触給電とローレンツ力を用いた浮上機構に置いては,共鳴型の給電装置による電流によって浮上力を得られることが確認された.磁気共鳴回路の後段にブリッジ回路による整流を行っているが,十分な効率が得られておらず共振周波数の変更などを行い効率の向上を目指している.また現在,浮上制御のために,受動安定な自由度の方向を考察し,能動制御の自由度を減らすることが可能であることを確認した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
薄板鋼板の吸引力のために効果的な磁石配置の検討を行い,ほぼ予想通りの結果がエられていることや,非接触給電を用いた磁気浮上機構に関して,リニアスライダの非接触浮上に成功していること,新たにローレンツ力を用いた新しい時期浮上装置を考案し,開発を行っていることなどを考慮し, 研究は概ね順調に進展していると言ぇる-
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として,以下の4つの磁気浮上機構について研究を行っている予定である. 薄板鋼板に対する機械的な運動による制振制御では,実際に装置を制作し振動を抑える実験を行う.装置は薄板鋼板が実際に送られるような機構とし,磁石の吸引力を用いて鋼板の振動および位置の制御ができるものとする.これを用いて振動抑制の実験を行う予定である. 非接触給電を用いたベアリングレスモータにおいては,回転の自由度を制御するための磁極コイルの配線の見直しを行う.また,昨年度構築されたテーパを考慮したモデルに基づきシミュレーションを行い,コントローラを設計する.また能動制御する自由度が増えるためコントローラを増やす.このとき分離できる自由度を考慮し分散制御を行うことによりコントローラの構築が可能なようにし,実験装置での浮上・回転をめざす. 非接触給電を用いたスライダにおいては,非接触給電機構を活用することにより能動制御する自由度を増やすことにより,横揺れ振動を効果的に減衰させる機構を開発する.今回非接触給電の機構としてオープンジェネレータを用いているが,ここに発生するトルクは回転数および受電側の負荷と関係がある.このため,回転数を能動的に変化させるまたは負荷を見かけ上変化させることによってトルクを能動制御できる可能性がある.このことによる減衰機構について考察する.また浮上時の必要電力を減らすための方策について検討を行う. 非接触給電とローレンツ力を用いた浮上機構に置いては,非接触浮上をめざす.現在得られている能動制御が必要な自由度に関して,センシングを含めた制御方法の検討を行う.制御方法は電磁石の磁束密度を変化させて行うもの,給電側の電力供給を制御するものなどを考えている.また浮上ためのコントローラの設計を行い,非接触浮上をめざす.
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次年度使用額が生じた理由 |
永久磁石などの材料費を予定していたが一部を次年度の購入としたため.
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品に使用する予定である
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