研究課題/領域番号 |
25289054
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長谷川 泰久 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70303675)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 電気刺激 / 感覚フィードバック / 歩行制御 / 関節角度 / 上肢支援 / 下肢支援 |
研究実績の概要 |
本研究では、筋力低下障碍者の残存機能を活用しながら、機能維持や作業効率化、作業の多様化に貢献する手首支援機構を提案した。患者が手首の屈曲または背屈する際に不足する筋力をアクチュエータで補う。また、手先の位置の微調整は板ばねにより、患者が残存機能を用いて行うことも可能である。支援機器を用いることで、書籍の運搬作業時の手首の負荷が軽減できることを実験により確認している。また、実際の筋力低下障害者に協力頂き、手の作業種類の拡大と作業効率の向上を確認した。 また、移乗動作支援における支援者の身体負荷の軽減と姿勢安定化を目的とした両下肢支援装置を提案した。従来の後脚のみ支援する装置と比較して、前脚にも支援装置を設けることで支持多角形の前脚側の範囲を広げ安定性の向上を図ると共に、支持多角形の後脚側の範囲を狭めることで、重心移動が容易に行えるように改良した。装置非装着時や先行研究と比較して安定余裕が約147%~187%増大することを確認した。また、装着者の床反力を計測し、後脚負荷が20%~36%の減少、前脚負荷が32%~38%減少すること確認した。 最後に、インタフェースとして、正しい発声ができない器質的構音障害者のコミュニケーションを支援するシステムの提案を行った。五十音の識別のために頸部前面に12chの電極を格子状に貼り付け発声に伴う生体電位信号を計測する。計測された信号に対して信号処理と特徴量の抽出を行い、SVMを用いてリアルタイムに五十音を識別するシステムの製作をしている。また実験により五十音を96.6%の精度で識別し,2秒間毎の発話動作を3.27msで識別できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
関節角度の提示を行うアレイ電極をおよび下肢麻痺患者用下肢操作インタフェースを製作し、実験を行ったが知覚ー行為フィードバックループの再建に期待する結果が得られなかった。よって、次年度は、提示する情報を変えて再度実験を進める予定である。
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今後の研究の推進方策 |
関節角度の提示を行うアレイ電極をおよび下肢麻痺患者用下肢操作インタフェースを製作し、実験を行ったが知覚ー行為フィードバックループの再建に期待する結果が得られなかった。よって、次年度は、提示する情報を変えて再度実験を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
H27年度は、大学の改組の準備時期に専攻長を担当し、また、1,300名規模の国内会議のプログラム委員長を担当し多忙を極めました。 また、当初の予定に対して、一部達成できていない点があると共に、より精緻な点について研究を連続的に実施したい為、次年度使用額が生じました。
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次年度使用額の使用計画 |
下肢麻痺患者の歩行支援ロボットを操作するインタフェースの改良を進め、支援ロボット身体化を推進するデバイスの製作に研究費を使用予定。
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