本年度は、平成25年度に製作した小型電極アレイ(22極)を用いて、片脚の大腿と下腿を想定した2リンクマニピュレータの状態フィードバック制御を試みた。平成26年度の研究成果により、2リンクマニピュレータの2関節角度を、それぞれ小型電極アレイ(計2セット)を用いて指先に提示した場合には、2リンクマニピュレータの先端位置の認識精度が、人の深部感覚を用いた足位置精度と比較して劣ることが判っていた。そこで、指の深部感覚を用いて足位置を認識し、その位置へフィードバック制御する際の2つの関節トルクの和を指先に電気刺激を用いることで、視覚に頼ることなく通常と異なる状況の把握を行うシステムを構築した。6名の被験者による実機実験により、2リンクマニピュレータの慣性の変化(±40%)やマニピュレータの衝突が400msec.以内に認識可能であることを確認した。 一方、上記の2つの関節トルクの和を電気刺激として指にフィードバックするのではなく、足の位置そのものを歩行に十分な位置精度を持って指先に提示する為には、大変多くの電極が必要となり、また、2点弁別間距離を考慮すると指部全体を電極で覆うことになる。そこで、電極数を削減するために、足の稼動範囲を複数のエリアに分け、そのエリア毎に対応する刺激周波数を用いて、同じ電極アレイを共用する手法を提案した。3名の被験者による実験により、3種類に分割することがもっとも精度良く認識できることを求めた。
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