研究課題/領域番号 |
25289056
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
齋藤 滋規 東京工業大学, 理工学研究科, 准教授 (30313349)
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研究分担者 |
鞠谷 雄士 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (70153046)
高橋 邦夫 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (70226827)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高分子繊維 / 生体模倣 / 静電チャック / 導電性芯 / 静電力 / リソグラフィー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,ヤモリ指先の微細構造にヒントを得て,静電力により対象物を自在に凝着(把持)・離脱可能にする「ヤモリ型静電チャック」を創製し,従来,取り扱いが困難だった対象物をハンドリング(物体操作)可能にする技術を実現することにある.具体的には,導電性の芯を持つ高分子繊維(静電誘導ファイバー)を高度に集積化し,ヤモリ指先のセタ(seta)微細毛にヒントを得た構造により,対象の表面形状に沿って柔軟に密着し,静電力をより有効に働かせるデバイスを実現すること.さらに,それを用いた「強い凝着」と「容易な離脱」を両立可能にする技術体系を確立することである.26年度は,「単層型『ヤモリ型静電チャック』の積層化によるデバイスの大面積化」のための「リソフラフィ技術による単層型微細毛静電チャックモジュールの制作手法の実験的検討」,および「双極型静電誘導高分子ファイバーモジュールの開発」のための,「双極型静電誘導高分子ファイバーの電極形状に関する試作検討」を行った.「リソフラフィ技術による単層型微細毛静電チャックモジュールの制作手法の実験的検討」によって,大面積化につながる単層型モジュールの実現可能性を示し,単層型モジュールサンプルによるフォースカーブ計測を実施した.さらに,「双極型静電誘導高分子ファイバーの電極形状に関する試作検討」においては,並列型,同心円型の二つのタイプに対して,プロトタイプを実現し,それぞれの性能評価を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画どおり,各研究項目について,適切に進められていると判断されるため.
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今後の研究の推進方策 |
研究目的そのものの達成のために,課題採択時当初の研究計画に加え,研究が進むにつれて明らかになった知見をもとに,柔軟に方向性を改善する方針である.リソグラフィー技術をベースにしたMEMS製作技術に加え,最新の絶縁性薄膜の製作技術なども取り入れながら推進する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は,当該課題にも使用可能な運営交付金や奨学寄附金などを効率的に使用することができたため,未使用額が発生したが,次年度の計画のために使用することとする.
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次年度使用額の使用計画 |
リソグラフィー技術に基づいたMEMS製作技術や絶縁性薄膜製作技術による静電凝着モジュール製作方法確立のために,多くの手法を試す必要があると認識している.既存技術の応用については,外部の微細構造物製作業者の利用も視野に入れており,その経費に充当することを念頭においている.
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