研究課題/領域番号 |
25289058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
橋本 稔 信州大学, 総合工学系研究科, 教授 (60156297)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ① 人工筋肉 / ② アクチュエータ / ③ 高分子ゲル |
研究概要 |
高性能PVCゲルアクチュエータを創製する技術を確立するために,平成25年度は(1)導電性ナノファイバーを用いた不織布ゲルの製作と(2)MEMS技術による凹凸表面形状を有する超薄型電極の製作を行った.それぞれの具体的内容は次の通りである. (1)エレクトロスピニング法によるナノファイバー不織布の製作 PVCゲルの溶液をエレクトロスピニング法により,ナノファイバー膜にして微細空隙を含む不織布を作製した.印加電圧,ニードルと基盤電極間の距離,ニードルの押し出し速度などを変更して,不織布となる条件を見出した.その上で,PVCゲル不織布アクチュエータを作製し,特性の評価を行った.PVCゲル不織布アクチュエータは印加電圧の増大とともに,変位量,収縮率,回復応力が増加する特性を持つことが分かった.不織布アクチュエータは不織布の厚さが45µmの時に収縮率,回復応力の比較的特性が良いことが分かった. (2)MEMSにより凹凸形状を有する超薄型陽極の製作 凹凸表面形状を有した電極をMEMS技術を用いて製作した.厚さを15μm~30μmの電極を作製することに成功した. MEMS装置を用いて行う必要があるが,本学では所有していないため,MEMSの加工,および微細加工評価を行うため,一般財団法人マイクロマシンセンターの研究支援を受けながら実施した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
エレクトロスピニング装置により,PVCゲルファイバー不織布を作製することに成功した.また,それを用いてアクチュエータを作製し,従来型のPVCゲルアクチュエータよりも大きな収縮率が得られることが分かった.MEMS技術により薄型電極を製作することができた.以上の成果は,当初の研究計画とほぼ同様であり,おおむね順調に進んでいるものと思われる.
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今後の研究の推進方策 |
H26年度はH25年度に作製したMEMS電極を用いてPVCゲルアクチュエータを構成し,その特性を評価する.また,エレクトロスピニングにより導電性不織布を作製する.
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次年度の研究費の使用計画 |
MEMS電極の製作に時間が係り,年度内に十分な種類のMEMS電極を製作ができなかったため,H26年度にMEMS電極の製作を行うため. H26年度の使用計画を次のように考えている.MEMS電極の製作費,ゲル材料購入費,電子部品購入費,レーザー変位計購入費である.
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