研究課題/領域番号 |
25289063
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
高木 健 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80452605)
|
研究分担者 |
青山 忠義 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00569337)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | ひずみ計測 / モアレ縞 |
研究実績の概要 |
実環境での使用を目標としているため,製作したひずみ可視化シートの耐環境性を検証した.恒温室にて湿度・温度の影響を検証した結果,カタログ値から推測していた値程の性能が得ることが出来なかった.そこで,基本となる材料にポリエステルを用いていたが,ガラスに変更することとした.ガラスを用いて恒温室にて実験を行ったところ,湿度に関しては影響されないことが分かった.一方,熱膨張の影響より誤差が発生することが確認できた.そこで,この熱による影響をキャンセルする構造を考え再度実験を行った.理論的には完全に温度膨張の影響をキャンセルできるはずであるが,機構が以前と比較すると多少複雑になった影響からか,現段階では良好な結果を得られていない.この部分を今年度は重点的に改良する予定である.実環境で長期に使用することを念頭に置いて,材料やその表面処理の検討も行った.また,上記の実験で良好な結果が得られなかったものを改良した新たなひずみ可視化シートの図面は完成した. また,ひずみを可視化するためにモアレ縞の原理を用いているが,そのモアレ縞を構成するパターンの構成方法について日本機械学会が主催するロボティクス・メカトロニクス講演会2014にて発表したところ,ロボメック賞と奨励賞に内定した.この賞の授賞式は2015年5月18日に行われる予定である. 実験をすることにより,いくつかの問題を明確にすることができ,その問題の解決策も考え付いた.また,学会から高い評価を得られていることより,基本的に順調に研究が進んでいると考えている.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実環境に適応することを最終的な目的としている.現段階では実環境に十分に適応できるものは完成していないが,いくつかの実験を行うとこにより問題点は明らかになってきている.また,その解決策も考えてあり,その対策を考慮した新たなひずみ可視化シートの図面も出来上がっている.ゆえに,現段階では解決不可能な問題は生じていないため,おおむね順調に進展していると考えている.
|
今後の研究の推進方策 |
温度に対する影響をキャンセルする方法は考え付いており,またそれを具現化するための図面も仕上がっている.そこで,今年度は実際にそれを製作し実験を行い,温度の影響を無視できるひずみ可視化シートを完成させる予定である.そして,そのひずみ可視化シートを実環境に適応し,有効性を示していく予定である.具体的な実環境としては,はじめは環境変化が少ないトンネル内を考えている.また,その後は,橋梁へ応用していく予定である.
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は「0」よりも大きいが,その額は21,661円であり予算規模と比較すると十分に小さいため当初の予定通りに研究が進んでいると考えている.値引きなどにより生じた誤差の範囲であると考えている.
|
次年度使用額の使用計画 |
額が大きくないため,当初の予定通りに予算を使用する予定である.
|